No.109 戸建て賃貸、建てる前に知っておきたいこと
戸建て賃貸を改めて考える。リスクと失敗しないためのコツ
建築費の高騰が続く中、土地活用の選択肢として戸建て賃貸が注目されています。戸建て賃貸は建築費を抑えやすい一方で、アパートとは異なる事業上のリスクもあります。その特徴と活用のポイントを整理します。
戸建て賃貸のメリット
土地の相続税評価については、戸建て賃貸も、一定の要件を満たせばアパートと同様に貸家建付地として評価されます。戸建て賃貸は、木造で建築されることが多く、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べると㎡あたりの建築費が低い傾向があります。上下階や隣室への生活音を気にしにくいことや、庭・駐車スペースを確保しやすいことなどから、対象入居者はファミリー世帯が主となります。ファミリー世帯は、単身世帯より居住期間が長い傾向があり、入退去に伴う空室や募集のコストを抑えられます。
資金繰り悪化への不安
戸建て賃貸で退去が発生すると、その間の家賃収入はゼロになります。借入金が残っている場合は、返済だけが続く状態になりやすく、資金繰りが悪化するリスクがあります。アパートであれば、一戸が空室になっても他の住戸から家賃収入を得られ、資金繰りへの悪影響は分散されます。これは、アパートの強みと言えるでしょう。
戸建て賃貸が少ない理由
戸建て賃貸の主な対象となるファミリー世帯は、賃貸だけでなく住宅購入も選択肢となります。また、戸建ては一定の居住面積を確保するため家賃が高くなりやすく、地域によっては入居者層が限られる場合があります。そのため、計画地にどの程度の戸建て賃貸需要があるのか、周辺の家賃水準と合わせて確認することが重要です。
戸建て賃貸が向いているケース
一方、土地や建物の条件によっては、戸建て賃貸が有効な選択肢となるケースもあります。
例えば、実家など借入金を完済した既存住宅を賃貸に転用するケースでは、空室が続いても資金繰りの問題は生じにくくなります。また、狭小地や変形地、高低差のある土地など、アパート建築には適さない土地の有効活用を検討する場合は、戸建て賃貸が有力な選択肢になります。
失敗しない建て方
新築で戸建て賃貸を計画する場合、重要なのは建物を大きくすることでも、建築費を抑えるために小さくすることでもありません。想定する入居者が必要とする広さと、地域で受け入れられる家賃のバランスを考えることが重要です。
建物を大きくすれば建築費が増え、その分、事業として必要な家賃も高くなります。一方、建築費を優先して規模を抑え過ぎると、ファミリー世帯が戸建てに求める居住性を確保できない可能性があります。
戸建て賃貸では、土地の条件だけでなく、「誰に貸すのか」「その世帯がどの程度の広さを求め、いくらまで家賃を負担できるのか」から建物の規模を考えることが重要です。
まとめ
建築費の高騰だけを理由に戸建て賃貸を選ぶのではなく、土地条件や地域需要、資金計画まで含めて判断することが重要です。戸建て賃貸は、適した土地で、適切な規模で計画したときに、その強みを発揮する土地活用と言えるでしょう。
ご注意
※本記事は2026年9月7日時点の内容をもとに作成しています。
