No.67 シロアリは住宅の敵-専門家に聞く予防と対策
シロアリ・・・実はゴキブリの仲間。特徴を理解したうえで予防と対策を。
隠れて建物を蝕むシロアリ。気づいた時には深刻化しているケースがあります。今回は、60年以上害虫防除に携わってきたセントラルトリニティ株式会社の白木谷(シロキヤ)唯史常務に、シロアリ予防と対策について伺いました。
シロアリの正体
編集部(以下:編):まず、シロアリとはどんな生き物なのでしょうか?
白木谷(以下:白):シロアリは名前に「アリ」とありますが、実はゴキブリに近い仲間です。木材や段ボール、畳、断熱材などを好み、湿気の多い環境で群れをなして生活します。女王や兵隊といった役割分担を持つ社会性昆虫で、光を嫌い、主に床下や壁に「蟻道(ぎどう)」と呼ばれるトンネルを作り、知らぬ間に建物の構造材へ侵入します。

間違った認識に注意
編:駆除に関して誤解されやすい点はありますか?
白:よくある誤解が二つあります。ひとつは『羽アリが一時的に姿を消したから安心』と考えること。実際には木材内部で被害が進行している場合があります。もうひとつは『市販の殺虫スプレーで駆除できる』といった誤った知識です。スプレー散布は、その効果は狭く、効果のない場所に移動するだけで、根本的な解決になりません。
点検と予防のポイント
編:オーナー様ができる日常的な予防策はありますか?
白:床下点検は専門的ですが、オーナー様でもできることはあります。例えば、建物周囲に木材や段ボールを置かないこと、床下の換気口を塞がないこと、外回りを定期的にチェックすること、ドアの歪みや開閉の異常を見逃さないことです。こうした小さな心がけが早期発見につながります。
建物構造と被害の広がり
編:建物の構造によってリスクは変わりますか?
白:後付けのウッドデッキは湿気を溜めやすく、被害の温床になりやすいですね。『鉄筋コンクリートだから安心』と思われがちですが、亀裂や隙間から侵入して建物に利用している木材を食い荒らすこともあります。さらに木質系の断熱材はシロアリの好物です。製品の成分を理解しておくことも大切です。
専門点検と管理の重要性
編:専門業者に依頼する意義はどこにありますか?
白:定期的な専門点検は被害防止に最も有効です。予防段階では安全性の高い薬剤で済みますが、被害が出てからでは強い薬剤を広範囲に使用する必要があり、費用も健康リスクも増します。数万円程度の定期管理サービスを導入する事例も増えており、大きな修繕を避ける意味で非常に有効です。
オーナー様が守るべき三つの心得
白木谷常務は、オーナー様に対して次の三点を習慣化するよう呼びかけます。
- 建物周囲に荷物を置かない
- 空気の流れを塞がない
- 建物周りを清掃し、清潔に保つ
今後の課題と展望
最後に白木谷常務は、今後の展望についてこう語ります。
白:床下換気扇で湿気を減らし、害虫の生息環境を悪化させること、捕虫器で侵入害虫の種類を特定することなど、予防策の幅は広がっています。そして小さな異変に『気づく』ことが大切です。オーナー様と専門家が連携することで、高額な修繕費の発生を防ぎ、安定した賃貸経営につながります。
まとめ
シロアリ対策で大切なのは、「手遅れ」にしないことです。日頃の点検と専門家による定期的な管理で、住まいを守りましょう。
ご注意
※本記事は2025年10月27日時点の情報に基づいています。
※シロアリ対策や薬剤・施工方法の最新情報は、専門業者や公的機関の公式ホームページをご確認ください。
