No.66 住宅セーフティネット法が改正。安心して住まえる社会へ新制度

誰もが安心して暮らせる社会を目指し、住宅セーフティネット法が今月改正施行へ

 令和6年の通常国会において改正され、今月から施行された住宅セーフティネット法。

 社会の高齢化や単身化が進む中、賃貸住宅市場と地域の居住支援体制を強化する内容が盛り込まれています。

住宅確保要配慮者の対象拡大

 法律で定める住宅確保要配慮者は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯。これに加え、省令で外国人等も含まれます。さらに地方公共団体が「賃貸住宅供給促進計画」を作成すると、その地域の事情に合わせて支援の対象を広げられる仕組みが設けられました。たとえば、国の制度では対象外だった場合でも、自治体の判断で新婚世帯や子育て世帯などを追加し、地域のニーズに応じた住宅支援を行うことができます。

終身賃貸制度で安心の住まいを実現

 改正の柱の一つが、オーナーと入居者双方に安心を提供する制度の整備です。従来からある「終身建物賃貸借制度(通常の賃貸契約とは異なり、借主が死亡した時点で契約が終了し、相続による引継ぎが発生しない)」の活用促進を図り、契約期間をめぐる不安を和らげます。

残置物処理の明確化でオーナー負担を軽減

 入居者死亡後の残置物については、居住支援法人が処理できるよう法的に位置づけられました。これまで「亡くなった後の荷物処分をどうするか心配」という理由で高齢者の入居を断るケースが少なくありませんでしたが、今回の改正により、居住支援法人が残置物を処理できるようになったことで、オーナーの不安が軽減し、高齢者の入居が進むと期待されています。加えて、家賃債務保証業者を国が認定する制度も新設され、信頼性の高い保証サービスの普及が見込まれます。

居住サポート住宅の認定制度

 新たに「居住サポート住宅」の認定制度も創設されました。自治体が福祉事務所や居住支援法人と連携し、安否確認や福祉サービス提供をできる住宅を認定する仕組みです。高齢者や障害者などにとって、安心して生活できる住まいの拡大が期待されます。

地域で支える包括的支援体制

 改正法では、地域全体での支援体制の強化も重視されています。国土交通省と厚生労働省が共同で基本方針を策定し、市区町村には、住宅部局や福祉部局、不動産関係者などが参画する「居住支援協議会」の設置が求められます。住宅施策と福祉施策を一体化し、地域で要配慮者を支える体制の整備が進む見通しです。

社会的意義と今後の展望

 今回の改正により、物件オーナーはリスクや負担を抑えながら、要配慮者への住宅提供を進めやすくなります。一方で、要配慮者は入居可能な住宅の選択肢が広がり、安定した居住環境を得やすくなります。

 専門家は、「高齢化が進む中、今回の法改正は社会的に重要なステップであり、賃貸市場の活性化にもつながる」と評価しています。政府や自治体、民間企業が連携し、法改正を契機にさらなる取り組みが期待されています。

ご注意

※本記事は2025年10月20日時点の法制度をもとに作成しています。今後の法改正や運用方針によって内容が変更される場合があります。詳細は国土交通省公式サイトをご確認ください。