No.64 相続で受け継いだ物件、どうすれば良いか迷っていませんか?

相続したアパート、貸すか売るか?判断の視点・基準とは?

 相続で突然物件を受け継ぎ、戸惑う人は少なくありません。賃貸経営に不慣れな場合でも、選択肢を整理することで道筋が見えてきます。本号では、その際に役立つ考え方や判断のポイントを一緒に見ていきます。

主な三つの選択肢

賃貸物件を受け継ぐこととなった際、対応は次の3つがあります。

  1. 【賃貸経営】
    賃貸経営が初めての方でも、心配はいりません。不動産会社や税理士といった専門家の力を借りれば、経験がなくとも一歩ずつ着実に進めていくことができます。(No.62参照)
  2. 【売却】
    不動産会社に依頼し、価格提案から買い手探し、価格交渉・契約・登記手続きまで任せられます。手数料(不動産業者、司法書士)や税金(印紙税、登録免許税)が発生し、利益が出れば翌年に課税されます(所得税、地方税)。
  3. 【相続しない】
    遺産分割協議で他の相続人に引き取ってもらう、第三者(個人・法人)に相続させる、または家庭裁判所で相続放棄の手続きをする(死去から3か月以内)などの方法があります。

 何らかの事情があれば3の選択となります。自ら住む、あるいはセカンドハウスにする計画がないならば、1か2の選択を検討することになります。では、それぞれの選択で得られる利益から見ていきましょう。

二つの形の利益

 利益の形には、キャピタルゲインとインカムゲインの二つがあります。キャピタルゲインとは1回限りの売却益です。譲渡所得として大きく課税される可能性があります。税額は、保有期間等で変わりますので、売却を検討する際には税務署や税理士に相談してください。

 インカムゲインは毎月生じる賃貸収入です。給与や年金に上乗せされる安定収入と捉えられます。

賃貸経営の課題は?

 賃貸経営の最大のリスクは空室です。今後、人口減少・世帯数減少で、地域によっては空室増が見込まれます。都市や工場への通勤圏・大学への通学圏なら安定経営が期待できますが、立地が不利な場合はさまざまな工夫が必要となります。遠隔地の物件の場合、賃貸経営や民泊経営を委託できる業者が見つからなければ売却も検討されます。

売却が有利になる場合

 東京都心、特に千代田区、新宿区、港区、渋谷区などでは、海外投資家の需要もあり、不動産バブルの様相を呈しています。立地が海外投資家にとって魅力的であれば大きなキャピタルゲインを狙える可能性がありますが、大きな課税によってせっかくの利益を減らしてしまう場合がありますので、慎重な判断が必要です。

賃貸経営の魅力

 不動産経営を希望する投資家は、多くの場合、高額な資金を投じて物件を取得します。その一方で、相続を通じて低いコストで物件を獲得する方は、実は大きなチャンスを手にしています。

 もちろん、賃貸経営に不安を感じるのは自然なことです。しかし、その不安を一つずつ解消していけば、現在の仕事と並行して安定的な収入を得ることも可能です。さらに、税制上の措置により、実際の課税負担が軽減され、長期的にみて賃貸経営を継続する方が有利になる場合も少なくありません。

プロのサポートを!

 エイブルのソリューション事業部では、税理士と連携し「売却」と「賃貸経営」それぞれのシミュレーションを行い、最適な選択をサポートしています。売却をご希望の場合には、適切な売却先を仲介いたします。

 また、賃貸経営を進める際には、全国のエイブル店舗がオーナーの皆さまをしっかりバックアップいたします。

ご注意

※本記事は2025年10月6日時点の情報に基づいています。詳細は税理士や税務署などにご確認ください。