No.45 緑と空に開かれた、新しい賃貸住宅のかたち 

人と自然と暮らしが交わる、豊かな住まい。西荻窪から始まる新提案

写真1:西荻こみちテラス外観

 緑と空に開かれた新しい賃貸のかたち。東京都杉並区西荻窪に、新たな賃貸住宅のかたちを提示する物件が誕生しました。

 「西荻こみちテラス」と名付けられたこの集合住宅は、株式会社エイブルホールディングスでチーフデザインオフィサーを務める猪熊 純さん、成瀬 友梨さんが主宰する「成瀬・猪熊建築設計事務所」が設計を手がけました。

緑豊かな環境を継承した住宅

 西荻窪駅から徒歩10分弱。静かな住宅街の一角、かつて民間企業の社宅として利用されていた1800平米を超える広大な敷地が舞台です。築60年を超えた社宅は老朽化により建て替えとなりましたが、その際に重視されたのは「周辺の戸建の庭に緑がある豊かな環境を継承すること」でした。

 敷地内には東西に通り抜け可能な小径=“こみち”が通され、風も人も通る空間が意図されています。植栽にも力が注がれ、予算を可能な限り確保。その結果、敷地内は四季折々の緑に包まれ、まるで公園のような安らぎを与えてくれます。(写真1)

生活に多様な選択肢を提案

 建物は全6棟に分割されたように見える構成(法的には1棟)、総戸数は23戸。様々な間取りで構成されており、吹き抜けのある空間、広い土間を備えた住戸(写真2)など、ライフスタイルや家族構成に応じた多様な選択肢が用意されています。さらに、すべての住戸には屋上テラスが付き、低層住宅地ならではの開放感と空の広がりを楽しむことができます。

 設備面も充実しており、賃貸住宅としては珍しい大型浴槽を備えたバスルーム、たっぷりの収納など、ファミリー層にも配慮された設計となっています。

西荻こみちテラス住戸例
写真2:西荻こみちテラス住戸例

人と環境がつながる暮らしへ

 敷地内の共有スペースには、「井戸端カウンター」と呼ばれるユニークな設備があります。(写真3)井戸とコンクリート製の流し台、そしてベンチが設けられたこのエリアは、住民同士の自然な交流の場として機能するよう設計されており、現代版の“井戸端会議”を生み出す場になっています。井戸水は敷地内の植栽への自動散水にも使われ、環境配慮の側面も担っています。

西荻こみちテラス井戸端カウンター
写真3:西荻こみちテラス井戸端カウンター

 さらに、敷地内の一部には店舗としても活用可能な住戸が用意されており、1階には独立した流し台とトイレが設けられているなど、住まいの枠を超えた活用も想定されています。

 「住むだけではない、つながる住まい」。西荻こみちテラスは、緑と空、人との関係性を大切にする新しい賃貸住宅のモデルとして、今後の住環境づくりに一石を投じる存在となりそうです。

ご注意

※この記事は2025年5月26日時点の内容です。