No.51 親として、賃貸経営者として見るべき点は?

「2025年税制改正」の注目ポイントを解説します

 所得税に限らず、相続税などすべての税が扱われる「税制改正」。今回は、お子さん・お孫さんの結婚や自宅購入のご予定がある方、高齢者向け賃貸住宅の建設に関心のある賃貸経営者の目線で項目を選んで解説します。

自宅を買う・リフォームする。特に若い世帯向けの優遇

 住宅ローン減税とは、住宅購入時における住宅ローン残高(限度額あり)の0.7%分(上限あり)の所得税・住民税が減額される(10年・13年)ものです(所得や床面積の要件あり)。

 ただし、新築・買取再販住宅では、省エネ機銃を達成していないと(証明書の提出が必要)減税はありません。省エネレベルに応じて、優遇される借入限度額が変わってきます。

 建設費の高騰で家を買いにくくなった子育て世帯を支援するため、夫婦のどちらかが40歳未満、または19歳未満の扶養親族がいる方(特例対象個人)に対する借入限度額の優遇が今年も延長されました。子育て世帯に対しては、ローン減税に加え、住宅リフォーム減税や生命保険料控除も拡充されています。

住宅をリフォームした場合に使える減税制度について(国土交通省)

結婚・子育て資金を贈与する場合

 「結婚・妊娠・出産・子育て」に必要なお金を親や祖父母から贈与を受けた際、贈与税を1000万円まで(うち結婚関係は300万円まで)非課税になる措置が2027年3月31日まで延長されます。

分譲マンションの大規模修繕

 マンションの管理組合が管理計画などを市区町村へ提出し、認定を受けたマンション等が、建物の長寿命化に役立つ大規模修繕工事を実施した場合、翌年度の建物部分の固定資産税額が1/6〜1/2減額されます。この特例措置が2年間延長されました(2027年3月31日まで)。外壁塗装工事、床防水及び屋根防水工事等が該当します。築20年以上の物件の区分所有者は特に注目です。

高齢者向け賃貸住宅を建てる場合

 「サービス付き高齢者向け住宅」を作ったら不動産取得税と固定資産税が減額されるという措置(サービス付き高齢者向け住宅供給促進税制)が2年間延長されます(一定の要件を満たす必要があります)。

  • 不動産取得税
    家屋:課税標準から1200万円/戸を控除
  • 固定資産税
    5年間、1/2~5/6の範囲内で市町村の条例で定める割合(基本は2/3)を減額

公的年金制度に関する税制

 企業年金のない会社にお勧めの方や、不動産経営を法人で行っていて企業年金がない場合、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入でき、その限度額が拡充されます(関連法案の国会議決後)。国民年金拠出額とiDeCoの掛け金の合算が、1ヶ月あたり7万5,000円まで拡充される見込みです。

 これを一時金として受け取った場合は退職所得(退職所得控除あり)、年金として受け取る場合は雑所得(公的年金等公助あり)となります。

老後資金積み立てのiDeCoの掛け金限度額の図

まとめ

 税制改正の内容は多岐にわたり、自分に関係があるのかないのかの判断が難しいところです。自分に関係がありそうと思ったら、よく調べ、専門家(税務署・税理士)にも確認した上で方針を決めてください。

ご注意

※この記事は2025年7月7日時点の内容です。制度の内容や適用条件は今後変更される場合があります。最新情報は財務省・国税庁・国土交通省・経済産業省など各所管官庁の公式発表をご確認ください。