No.115 相次ぐ豪雨被害、火災保険の内容を確認しよう

水害リスクにどう備える?火災保険の見直しのポイント

 今年も各地で線状降水帯による記録的な大雨が発生し、住宅の浸水や土砂災害が相次ぎました。水災の際に現在の火災保険で補償を受けられるのか、契約内容を確認しておく必要があります。契約確認・見直しのポイントを解説します。

水害への備えは保険の確認から

 被災者生活再建支援制度などの公的支援は、被災した居住世帯の生活再建を目的としています。賃貸住宅という収益物件の修繕費を直接補う制度ではないため、オーナー自身が損害保険によって備えておくことが重要です。そこで確認しておきたいのが、ご加入の火災保険です。

 火災保険は名称こそ「火災」ですが、契約内容によって落雷、風災、雪災、水濡れ、盗難など幅広い損害を補償します。

水災補償でカバーされる被害

 水災補償では一般に、台風や集中豪雨による洪水、河川の氾濫、高潮、土砂崩れなどによる建物被害が対象となります。例えば川の氾濫や内水氾濫による床上浸水や、豪雨による土砂崩れでアパートが損壊した場合などです。なお、地震による津波などは地震保険の領域です。

保険証券を確認するポイント

 ただし、すべての契約に水害への補償が付いているわけではありません。保険料を抑えるため、水災補償を外しているケースもあります。また、水災補償が付いていても、浸水の程度や損害割合など、保険金の支払いに条件が設けられている場合があります。免責金額が設定されていれば、その範囲は自己負担となります。補償範囲や保険金の算定方法は、保険会社や契約時期、商品によって異なるため、保険証券や約款を確認しておくことが大切です。

建物の保険金額の設定は適切か

 もう一つ確認したいのが、建物の保険金額です。近年は資材価格や人件費の上昇により、建物を修復・再建する費用が大きく上がっています。十何年も前に設定した保険金額をそのまま更新しているような場合、現在必要な再調達価額に届かない可能性があります。購入価格や現在の不動産価格と、「今、同程度の建物を建て直す費用(新価・再調達価額)」は別物です。契約から年数が経過している場合は、現在の建築費や契約方式を踏まえ、保険金額が適切か確認しておくことが重要です。

保険料の上昇を抑えるために

 ただし、補償を充実させれば保険料も上がります。そこで最初から補償を削るのではなく、必要な補償を整理した上で、自物件のリスクに応じて優先順位を付けることが大切です。

 特に水災補償を外す場合は慎重な判断が必要です。「高台だから洪水は大丈夫」と思っていても、土砂災害や内水氾濫など別のリスクがある場合があります。国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水、内水、高潮、土砂災害などのリスクを確認できます。(ハザードマップは補償の要否の判断材料の一つとし、実際の契約内容については保険会社や代理店に確認しましょう。)

まとめ

 賃貸オーナーにとって保険は、事故が起きてから考えるものではありません。水災補償の有無、支払条件、免責金額、建物の保険金額を定期的に確認し、現在の建築費や立地リスクに合った内容になっているかを確認することが、持続可能な賃貸経営につながります。

ご注意

※本記事は2026年10月19日時点の内容をもとに作成しています。火災保険に関しては各保険会社のホームページを、ハザードマップについてはハザードマップポータルサイトなどをご確認ください。