No.83 東京都環境局主催の「賃貸住宅断熱体験バスツアー」に参加
即効の二重窓から“本気断熱”まで!断熱リフォーム効果を体で理解する
断熱リフォームの効果を実際の住宅で体感し、「どこから着手すべき?」「どの程度の投資でどのような効果が得られる?」を確認するために参加してきました。断熱に活用できる助成制度や税制上の支援についても紹介いたします。
<窓・床・壁>
費用対効果の高い断熱ポイント
最初に見学した物件は、築年数の経過した戸建住宅に部分断熱を施した事例です。
住宅から逃げる熱の約5割は「窓」からとされます。リビングには内窓(二重窓)が設置されており、工事費は10万円前後、施工時間は数時間程度。断熱効果に加え、結露抑制や遮音性の向上といった副次的効果も確認できました。
床下には断熱フォームの吹き付け施工(概算20~30万円)、壁には断熱材の後貼りが施されており、未施工の部屋と比較すると体感温度の差は明確でした。比較的抑えたコストでも、居住性を大きく改善できる余地があることを実感させる内容です。
断熱等級7の“次世代型”賃貸住宅
続いて見学したのは、賃貸集合住宅です。
この物件は、東京都内で初めて断熱等級7・耐震等級3を満たす次世代型・超省エネ賃貸住宅として認定されています。太陽光発電や蓄電池も備え、断熱性能を前提とした設計思想が随所に反映されていました。部分断熱とは異なる「建物全体で性能を高める」アプローチを理解する機会となりました。
税制・補助金から見る
断熱投資の考え方
講演では、賃貸オーナーおよび東京都環境局から、制度面の解説がありました。
東京都では、住宅ストックの約半数を賃貸住宅が占めることを踏まえ、賃貸向け断熱支援を強化しています。国の「先進的窓リノベ事業」なども含め、多様な支援策が展開されていますが、一時的に全額を立て替え、後日補助金が還付される仕組みとなるケースもあるため、資金計画には注意が必要です。また、補助金は予算上限に達し次第終了するため、判断は早めが望まれます。
断熱は「選ばれる賃貸」への投資

当日は多くの賃貸オーナーが参加しており、断熱が居住性向上にとどまらず、賃貸経営上の重要な判断材料として認識されつつあることがうかがえました。選ばれる物件づくりや家賃改定の説明力を高める観点からも、断熱改修は今後避けて通れないテーマといえます。
なお、東京都以外の自治体でも断熱支援制度は実施されており、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で確認できます。
ご注意
※本記事は2026年3月2日時点の情報をもとに作成しています。
