No.19 信託がわかるシリーズ第二回「信託の基本をわかりやすく解説」
信託の基本を理解する「信託の歴史と4つのキーワード」
信託制度とは、実はとても単純な仕組みです。今回は、信託の起源や歴史、そして信託を理解するための4つの重要なキーワードをご紹介します。
信託の歴史—古代から現代へ
信託の概念は古代エジプトまでさかのぼりますが、具体的な形となったのは中世イギリスの「ユース(use)」制度です。土地を教会に直接寄進する代わりに、信じられる人に土地を譲渡し、そこから得られた収益を教会に寄進するという取り決めです。十字軍に出征する兵士が、国に残す家族のためにも利用しました。
しかし、譲渡された人が、きちんと教会や留守家族のために土地を利用してくれるのかは、とても切実な問題でした。そこで、そのための取り決めや、損害賠償など、さまざまな事例と智慧が蓄積していきました。
この制度はアメリカに伝わり、遺書のとおりに財産が分配されるためや、相続人の誰かが遺産を独り占めすることを防ぐためなどを目的とした信託制度として発展し、これらに関する業務を行う会社も現れました。
日本では、加賀藩が信託の仕組みを利用していたことが文献に残っています。
そして明治38年、アメリカの法律を参考にして、日本初の信託に関する法律が制定されました。その後、大正11年に信託法、信託業法が、昭和18年に兼営法ができました。平成16年に信託業法が大きく改正され、信託の担い手が広がりました。平成18年には信託法が改正され、信託銀行や信託会社だけでなく、家族による信託が可能になりました。
これだけは理解しておきたい4つのキーワード

信託の基本を理解するために、次の3つの重要な役割を覚えておきましょう。
- (1)委託者
- (2)受託者
- (3)受益者
漢字表記では似ていますが、この3者の役割を理解することが信託の第一歩です。そして、もう一つ覚えておきたい重要なキーワードが(4)信託財産です。
信託とは何か

信託とは、財産の所有者が財産の管理や運用を他者に委ねる仕組みで、「信託法」で厳密に規定されています。不動産のような維持管理にスキルが必要な財産の場合、専門家にその管理運用を任せた方がよいでしょう。
信託サービスを業として行うには、金融庁の認可と監督のもと、不正が行われないような「信託業法」で規定されています。
現在、アパートオーナーなどが利用できる信託には、信託会社(商事信託)と家族信託(民事信託)があります。
「信託がわかるシリーズ」では、信託を活用した認知症対策や相続対策を解説していきます。ご自身の状況に信託がどのように活用できるのか、弁護士や専門のアドバイザーにご相談の上、検討を深めてください。
ご注意
※この記事は2024年11月18日時点の内容です。最新情報は法務省の公式サイトを、信託会社や弁護士に関しては各専門サイトをご確認ください。
