No.112 アパートしか建てられないと思っていませんか?
土地で何ができるかを知っておく。用途地域から考える活用の選択肢
土地活用ではアパートをまず思い浮かべる人も多いと思います。選択肢はアパートだけではありませんが、土地に何でも自由に建てられるわけでもありません。土地活用を検討する上で知っておきたい用途地域について解説します。
用途地域は何のためにあるか
用途地域とは、建てられる建物の用途や規模などをコントロールするために市町村(または都道府県)が都市計画として定めた地域区分であり、良好な住環境の確保や、商工業の利便の増進を図ること等を目的としています。
例えば、住宅を中心とする地域と、店舗や工場などが立地する地域を一定のルールによって区分することで、それぞれの地域に適した環境を守る役割があります。用途区分として、住居系が8種類、商業系が2種類、工業系が3種類あり、合計13種類があります。
用途地域で異なる活用の選択肢
建築する建物の用途によって土地活用の収益性が変わってきます。店舗や事務所は、立地や需要によっては住宅より高い賃料収入を期待できる場合があります。
一般に、住居系よりも商業系の用途地域(商業地域や近隣商業地域)の方が用途の多様性が高く、さまざまな土地活用を検討できます。しかし、選択肢が多いことと収益性が高いことは同じではありません。
よくある用途地域と特徴
令和7年都市計画現況調査によると、全国の用途地域指定面積では第一種住居地域が約23%を占め、最も広くなっています。第一種住居地域は住居系の用途地域でありながら、一定の店舗や事務所、ホテルなどを床面積3,000㎡以下であれば建築できます。
東京都内では、第一種低層住居専用地域が、用途地域として指定されている面積の約36%を占めます。第一種低層住居専用地域は用途制限だけでなく高さ規制なども厳しく、原則として戸建てやアパートなどの低層住宅が主たる選択肢となります。
あらかじめ選択肢を調べておく
土地オーナーの中には収益性の高さに注目して、店舗を検討したい方もいるかもしれません。土地活用を提案する会社には、それぞれ得意とする建物や事業分野があり、相談先によって提案される活用方法が限定されることもあります。
そこで、ハウスメーカーなどから提案を受ける前に、自治体のホームページなどから自分の土地の用途地域を把握し、主体的に土地活用について考え、その上でハウスメーカーとともに検討することが大切です。例えば第一種住居地域であれば、一定規模以下の店舗も建築可能なため、立地や需要によってはコンビニなどの店舗利用も検討対象となります。
より良い土地活用の検討方法
土地活用は、受け身で提案を待つだけでなく、地主自身が土地の可能性を知り、活用方法を考えることも大切です。用途地域を確認することは、その第一歩といえるでしょう。ただし、土地活用として実際に建築できる建物は用途地域だけで決まるわけではありません。
建蔽率や容積率、高さ制限、接道条件、地区計画なども併せて確認しなければなりません。さらに、店舗なら周辺の商圏や人通り、住宅なら賃貸需要など、実際に利用する人のニーズを見極める必要があります。自分の土地で「何ができるか」を知り、「何が求められているか」を調べ、活用方法に応じた専門家の意見も聞きながら、自分の土地に合った選択肢を絞り込んでいくことが大切です。
ご注意
※本記事は2026年9月28日時点の内容をもとに作成しています。
