自動車と住居

  • 吉田弘一

国土交通省住宅局は、「住宅の戸数は十分なので質を高めたい」と「居住面積水準」などを設定し、政策誘導を行っている[1]。

そう言えば、「日本人はウサギ小屋に住んでいる」とフランス首相に言われたことがあった[2]。1990年ころだ。

そのころはバブル経済で、住居の値段は高騰、さすがに豪邸には手が出せないと思った消費者は高級車を求めた。

そのころ私が思ったのは、「自動車は住居の延長である」ということ。

住居で満たされない、豪華さや優越感、満足感を自動車で満たそうとする心理である。

 

その後バブル経済が崩壊し、自動車も住居もいろいろ変化したが、「自動車は住居の延長である」という私の思いは変わらない。

今、with コロナで住生活について様々な変化が起き始めているが、一部の人は、「自分で自動車を運転していれば、コロナに感染するリスクも、誰かを感染させるリスクも低い」と考えだした。

観光地へマイカーで行く人が増えたというデータが国交省により示された[3]。ETCのデータを拾って行楽地付近の自動車の平均速度を求めて例年と比較したところ、遅くなったポイントが多かった、すなわち渋滞気味なぐらいマイカー客が増えたというものである。

さらに、「いっそ自動車に住んでしまおう」という人や、そんな人に興味を持つ人もいるようだ。私もその一人。

テレビ番組で、こだわりのキャンピングカーの特集を見た。中古路線バスを買って改造するという剛の者の youtuber も現れた[4]。百数十万でバスが手に入ることに驚いたが、とにかく楽しそうなのだ。

家族で居住するならバスが楽しいだろうけど、オヤジが独りで過ごすなら軽トラックで十分。

 

日刊SPA!に、蓮本さんの軽トラ改造キャンピングカーが紹介されている[5]。
彼の仕事は、ログハウス関連。

蓮本さんはこのキャンパーを、仕事でもフルに活用している。それが移動オフィスと宿泊場所を兼ねた“現場事務所”のような使い方だ。

「ログハウスが建っている場所はリゾート地が多いので、ここ数年はキャンパーが現場事務所代わりです。年に2カ月くらいはキャンパー暮らしですね。昨年は熊本県の阿蘇が現場だったので、4カ月ほどこのキャンパーで生活していました」

同じく、日刊SPA!で紹介されたのは[6]、

趣味の水彩画を描きながら全国を旅するためのベースとして、軽トラキャンパーの製作を思い立ったという二見宏明さん

 

「私は身長が181㎝あるので、たとえ軽トラというスペース的に限られた空間の中でも、寝床と室内高にはこだわりたかったですね。ここのところ天災も多いので“非常持ち出し袋”としての役目も考えました。防災用品はいつも家の中にしまわれていて、いざというときに持ち出せないことも多いので、キャンパーを家に置いているときはローリングストックさせる倉庫の役割も兼ねています」

そんな高身長の人が足を伸ばして眠るスペースを確保できることに驚いた。

子どものころ、秘密基地ごっこをした私の年代には、ドはまりで、とても羨ましく思う。

是非、この「軽トラキャンパー」たちの「名作」を見てほしい[7]。

 

references
[1] 住生活基本計画における「水準」について(国土交通省住宅局)
[2] 「エディット・クレッソン」(wikipedia)
[3] 9月の4連休における旅行速度及び交通量の分析について
(~緊急事態宣言下・昨年度の連休等との比較~)(国土交通省道路局)
[4] 大和家のVan Trip Life.(youtube チャンネル)
[5] “青い軽トラ”は移動オフィス兼用キャンパー!軽トラ自作キャンパーのススメ(日刊SPA!) 
[6] サンダーバード2号を目指して。災害の備えにもなる軽トラ自作キャンパーのススメ(日刊SPA!)
[7] シリーズ記事「みんなの遊べる軽トラ」(日刊SPA!)

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